「双葉発タオル」もうすぐ 浅野撚糸4月22日開業

 
4月に開業する浅野撚糸双葉事業所フタバスーパーゼロミル・エアーかおる双葉丸=25日午前、双葉町中野舘ノ内(ドローン撮影)

 糸をより合わせた撚糸(ねんし)の製造、タオル販売などを手がける浅野撚糸(岐阜県安八町)が双葉町に整備した双葉事業所は4月22日に開業する。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向け、雇用の創出、移住・定住や交流人口の拡大を目指す町の一大拠点となる。

 中野地区復興産業拠点の敷地約2万8000平方メートルに鉄骨2階建ての撚糸工場「フタバスーパーゼロミル」、双葉ブランドのタオル「ダキシメテフタバ」などを販売する直営店「エアーかおる双葉丸」などを整備。津波で被災した町沿岸部に、目を引く赤と白の事業所が誕生した。25日に内覧会が開かれ、地元住民が訪れた。

 原発事故で最も長く全町避難が続いた町は昨年8月、特定復興再生拠点区域(復興拠点)で避難指示が解除された。同社は事業を通じて町ににぎわいを生み、地域活性化や住民の帰還、移住につなげたい考えだ。

 工場誕生、町民も期待

 25日に双葉町の浅野撚糸(ねんし)双葉事業所で開かれた内覧会には800人の町民らが訪れた。古里復興に向け、にぎわいや交流につながる工場の誕生に期待を寄せた。

 撚糸工場には撚糸機20台、合糸機6台などを配置。同社が独自開発し、特許を取得した撚糸「スーパーゼロ」を製造する。軽くて柔らかな風合いで、高い吸水性が特長だ。併設する直営店ではスーパーゼロを織り込んだブランドタオル「エアーかおる」や「ダキシメテフタバ」などを販売する。事業所内には住民憩いの場となるカフェやラウンジ、企業などが利用できる研修室、イベントなどで使える中庭も整備した。

 総事業費は30億円。同社は約30人の雇用を目指しており、今春には本県出身者12人を雇用。同社は引き続き社員を募っている。

 内覧に訪れた地元の浜野行政区長の高倉伊助さん(67)は「立派な建物ができた。タオルは双葉からの贈り物にも最適だ」と喜んだ。