浜街道「毛萱工区」が開通 広野-富岡間、産業再生や振興期待

 
通り初めで楢葉町方面に向かう車列

 県道広野小高線(通称・浜街道)のうち富岡町の「毛萱(けがや)工区」の2.8キロ区間が26日、開通した。これで浜街道の広野町―富岡町間(17.2キロ)がつながり、産業再生や地域振興などで浜通りの復興を後押しする効果が期待される。

 浜街道は広野町を起点に南相馬市までの沿岸部を南北に貫く約55キロの幹線道路。広野町から楢葉町を通って富岡町に抜ける区間は1997(平成9)年度に着手。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後は被災地の復興支援道路として整備され、すでに広野町―楢葉町間と、富岡町の一部区間が開通していた。

 毛萱工区の開通で、人や物の流れが活発になることに加え、国道6号や常磐道の渋滞緩和にもつながる。浜街道の広野町―富岡町間は、広域サイクリングルートのメインルートに含まれ、新たな交流人口の拡大も期待される。

 同日、富岡町で開通式が行われ、井出孝利副知事が「沿岸部の交流や地域間の連携が一層進み、浜通りの復興を力強く後押しすることを期待する」とあいさつ。山本育男富岡町長は「さらなるにぎわいと活性化に期待したい」と述べた。

 テープカットやくす玉割りのほか、小浜風童太鼓の演奏に合わせ、通り初めが行われた。