芦ノ牧温泉・丸峰観光ホテル再生法申請 負債20億円、丸峰庵も

 
民事再生法の適用を申請した丸峰観光ホテル

 信用調査会社の帝国データバンク、東京商工リサーチ両郡山支店によると、会津若松市の芦ノ牧温泉の丸峰観光ホテルは28日、地裁会津若松支部に民事再生法の適用を申請した。温泉まんじゅうの製造販売を手がける関連会社の丸峰庵も同じく申請。負債総額は丸峰観光ホテルが約20億7700万円、丸峰庵が約4億7900万円。今後、再建計画を作り、事業継続の道を探る。

 丸峰観光ホテルは1965(昭和40)年に設立された。1000人を収容できるコンベンションホールなどを有し、豊富な湯量を生かした数種類の浴場が好評で、芦ノ牧温泉を代表するホテルの一つとして高い知名度を得ていた。売上高はピークの94年3月期には約25億円に上った。

 一方、近年は設備投資による多額の有利子負債があったほか、景気後退や東日本大震災の風評、新型コロナウイルス禍により業績が悪化。2022年3月期は売上高が5億円台に後退し、2億円超の赤字を計上していた。燃料費の急激な高騰などもあって収益改善が進まず、民事再生法の適用申請に至った。現在、同社のウェブサイトでは、宿泊予約ができなくなっている。