福島県内金融連携「心強い」 日銀審議委員、経済関係者と懇談

 
本県の経済関係者らと懇談した中川審議委員

 日銀の中川順子審議委員は1日、福島県福島市で井出孝利副知事や県内経済関係者らと懇談し、本県を地盤とする金融機関など22社・団体が新型コロナウイルスの影響を受けた企業の経営支援に連携して取り組んでいることについて「大変心強く感じる」と評価した。

 懇談は冒頭以外非公開で行われた。中川氏は懇談後の記者会見で原材料価格の高騰に伴う収益圧迫や人手不足などの声があったと説明した。5月以降に返済が本格化する実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)にも触れ「現在のところは返済の延滞などの動きは限定的との話が聞かれた」と述べるとともに、金融機関による取引先への本業支援に期待を寄せた。

 また、日銀の今後の金融政策について企業の借り入れや住宅ローン金利への影響が懸念されるため、十分に配慮してほしいとの要望を受けたとし「こうした話を踏まえつつ、金融経済情勢のモニタリングを続けながら、中央銀行の立場から福島県経済を支える関係者の努力が成果につながるようにしたい」と話した。