高校生アスリート、福島から新たな大舞台へ プロや実業団で飛躍

 
(写真右)聖光学院の山浅さん、(同左)ふたば未来学園の斎藤さん

 夏の全国高校野球選手権大会や全国高校総体(インターハイ)で活躍した県内の高校生アスリートも1日に卒業を迎え、新たなステージでの飛躍を誓った。

 中日へ入団、山浅さん「応援してもらえる選手に」

 昨秋のプロ野球ドラフト会議で中日から4位指名を受けた聖光学院高の山浅龍之介さん(18)は卒業式に出席し、「みんなに応援してもらえる選手になりたい」と決意を新たにした。

 2月は中日のキャンプに参加したため、クラスメートや野球部の仲間とは久しぶりの再会となった。

 「食らいついていくことで精いっぱい。レベルの違いを痛感したが、良い経験ができた」と話すように、キャンプではルーキー捕手ながら1軍メンバーに抜てきされ、練習試合にも出場。打撃とリード面でアピールし、充実した1カ月を送った。

 卒業式後、野球部の送別会にも出席。斎藤智也監督(59)からは「普段の練習でもグラウンドに飛ぶ『ありがとう』の声の数が歴代最高だった。真剣にやっていれば必ず行き詰まるが、それでも必死にやれば通じていく」と励ましの言葉を受けた。

 山浅はクラスメートや仲間から胴上げでエールを受け、「内容の濃い3年間だった。結果が全ての厳しいプロの世界に入ったが、聖光で学んだ多くのことを大事にしたい」とプロ野球での飛躍を誓った。

 息子の門出を見守った父恭悟さん(56)と、母福子さん(47)は「良い学校生活が送れたのだと改めて感じた」と目を細めた。

230302news701-1.jpg写真=クラスメートらに胴上げされる山浅さん

 バド強豪・トナミ運輸へ、斎藤さん「憧れてもらえる選手に

 昨夏開かれたインターハイのバドミントン男子シングルスで優勝したふたば未来学園高の斎藤駿さん(18)は卒業証書を手にし「自立できた3年間だった」と振り返った。今後はバドミントンの強豪・トナミ運輸(富山県)に進み、新たなスタートを切る。

 輝かしい成績を残した一方で、けがに苦しんだ高校生活だった。何度も両膝を痛め、満足に練習できたのは3年間のうち半年ほど。それでも頑張る仲間の姿に背中を押され、監督コーチからサポートを受けながら苦しい期間を乗り越えてきた。「ここまで成長できたのは間違いなく仲間のおかげ」と感謝する。

 世界的に活躍する桃田賢斗選手(富岡高卒)に憧れ、新潟県から進学した。「いつか自分も憧れてもらえる選手になりたい」と夢を語る。その第一段階となる目標はB代表入りだ。「重圧に負けず強い気持ちで食らい付いていく」。斎藤さんは頼もしい表情で学びやを後にした。

230302news701-2.jpg写真=トナミ運輸に進み、新たなスタートを切る斎藤さん