磐越西線の復旧費、地元も負担 福島県と会津17市町村が方針
2月定例県議会は休会明けの2日、一般質問を続行し、宮川政夫(自民、東白川郡)三瓶正栄(県民連合、田村市・田村郡)江花圭司(自民、喜多方市・耶麻郡)紺野長人(県民連合、福島市)安部泰男(公明、いわき市)の5議員が登壇した。3日も一般質問を行う。
会津北部を中心とした記録的大雨で不通が続くJR磐越西線喜多方―山都間(9.9キロ)について、県と沿線などの会津17市町村は、復旧費の一部を地元負担で補う方針を固めた。今後、自治体ごとの負担割合など具体的な議論を進める。
4月1日に全線再開する磐越西線の復旧費は現時点で、総額約15億円を見込む。JR東日本は、鉄道会社の経営が黒字でも大規模災害で被災した路線が赤字であれば国の財政支援を受けられる「鉄道軌道整備法」を復旧に活用する。復旧費用の半分はJR東が負担するが、4分の1ずつを国と地方が補う形になる。
昨年10月に全線で運転が再開したJR只見線の復旧でも同法を活用した経緯があり、県と会津17市町村は一定の財政支出を伴うものの、早期の復旧と運行再開に向け、地元負担を了承した。県と各市町村の負担金額がまとまり次第、JR東からの申請を受け付ける。
同法適用により、JR東は国に対し、今後10年間以上の運行計画提出が必要となる。磐越西線は、JR東が「赤字路線」として公表しているが、長期的な鉄道運行が事実上担保された形となる。県は「利活用策を沿線自治体と協議し、鉄路の維持へとつなげていく」(生活交通課)としている。
江花議員の質問に久保克昌生活環境部長が答えた。
磐東線対策協、月内にも
県とJR磐越東線の沿線5市町は今月下旬にも、同線の利用促進に向けた「磐越東線活性化対策協議会(仮称)」を発足させる。磐越東線は、JR東日本が公表する赤字路線の一つで、県は協議会の議論を通して沿線の魅力発信や利活用策を探りたい考えだ。
協議会では、JR東から磐越東線の利用状況について説明を受けるほか、首長による意見交換を行う。担当者レベルの幹事会も設置し、実務的な議論も深める。利活用計画の策定を見据え、実現可能な施策から順次導入する方針。県はJR東日本と東北運輸局にもオブザーバーとしての参加を打診しており、関係者と一体で磐越東線沿線の活性化策を図る。
JR東が示した2021年度収支では、磐越東線いわき―小野新町間の1日当たりの乗客数は1987年度比で8割減少し、6億9000万円の赤字だった。利活用策の検討は不可欠で、県は年度内の協議会設置を目指していた。JR東が同じく収支を公表した赤字路線の水郡線についても県は、これまでオブザーバーとして加わっていた「水郡線活性化対策協議会」に今年から構成員として参加している。
三瓶議員の質問に久保克昌生活環境部長が答えた。