双葉郡、成人式出席率が低下 地元の友人と離れたことが影響か

 

 茨城大人文社会科学部の村上信夫教授ゼミは、双葉郡内の町村の成人式出席率が震災時に中学生だった世代から低下傾向にあるとの調査結果を発表した。避難生活などで地元の友人と離ればなれになったことなどが影響しているとしている。

 3日、水戸市で開かれた調査報告会で示した。調査によると、本県では2010年以降、双葉郡を除いた各自治体の成人式の出席率が8割前後で推移してきた。一方で双葉郡は17年が72.27%だったのに対し、18年は64.11%に低下。新型コロナウイルス禍前の19、20年も低下傾向が続いた。18年は震災当時の中学1年生が成人式を迎える年だった。

 同ゼミは結果を受け、震災時に小学3年~中学3年だった本県内外の20代の男女26人に聞き取りを実施。式に出席したのは23人で欠席は3人だった。出席と欠席を判断した理由では、14人が中学校生活が決め手となったと回答。原発事故の避難に伴い、避難先の自治体で開設された学校で地元コミュニティーを維持した生活を送った場合は出席意欲が高く、短い期間で複数回の転校を経験したり、在校期間が短かったりするなど、地元の友人と別れた人たちは出席への関心は低かったという。

 調査は同大3年の丹羽仁菜(にいな)さん(21)=いわき市出身=が同じゼミに通う同学年の2人と課題研究として取り組み、20年12月から1年半にわたって調査を行った。