若者の意見取り入れ、課題解決 会津学鳳高・昆野さん会社設立

会津学鳳高3年の昆野(こんの)綾花さん(18)=会津若松市=は、顧客の意見を聞きながら企業のサービスの在り方を考える「サービスデザイン」事業を手がける会社「Solitude(ソリチュード)」を設立した。「若者の意見を取り入れ、企業の課題を解決する役に立って、生まれ育った地域に恩返しをしたい」と思いを語る。
昆野さんは会社設立前の2月、「20代以下の顧客を増やしたい」という市内コーヒー店の悩み解消を目指す意見交換会を開催。高校、大学生らが参加して改善策を話し合い、終了後に店のオーナーから「今までは若い人の意見を聞く機会がなかった」と声をかけられた。「サービスデザインの手法を使い、企業と若者をつなぐ役割ができれば地域活性化に貢献できる」。昆野さんは手応えを感じた。
「人と人をつなぐ仕事をしたいとずっと思っていた」という昆野さん。高校2年時に市国際交流協会での職業体験(インターンシップ)を経験し「若い人の気持ちが分からない」という声を聞いたことで、その思いはさらに強くなった。
転機になったのは、昨年秋に同市のIT企業「Eyes,JAPAN(アイヅジャパン)」社長の山寺純さんと出会ったこと。将来の夢などを相談する中でサービスデザインの仕事を紹介され「これが自分のやりたいことだ」と感じた。ただ、会津にサービスデザインを専門に手がける会社はない。そこで起業を思い立ち、同社でアルバイトをしながら起業の手続きなどを学び始めた。起業すべきか悩んだ時期もあったが、山寺さんら周囲の人が「若いうちは失敗しても、そこから学べばいい」と背中を押してくれた。
4月からは仕事をしながら会津大短期大学部に進学し、経営のノウハウや統計学を学ぶ。「地元に残ってもやりたい仕事ができるし、高校生や短大生でも起業できる。それを後輩たちに伝えたい」。地元への思いを胸に、昆野さんは挑戦を続ける。