災害から自分の命守って 須賀川で防災学習、絵本作家松本さんら

震災をテーマに、災害への心構えを伝えた松本さん(右)と大和田さん
福島民友新聞社が発刊した絵本「ぼくのうまれたところ、ふくしま」を手掛けた絵本作家松本春野さんとフリーアナウンサーの大和田新さんは9日、須賀川市の小塩江中を訪れた。東日本大震災から12年が近づく中、生徒らに命を守るために日ごろからコミュニケーションを大切にすることなど災害への心構えを伝えた。
2人は、同校が防災学習の一環として開いたパネル討論に参加した。松本さんは震災を経験した人たちの体験を伝えるために絵本を作ってきたこと、大和田さんは本県で起こった津波被害や東京電力福島第1原発事故の影響などについて話した。
松本さんは絵本の内容に触れながら、「それぞれができることを増やすことで助け合える社会ができる。絵本を読んでコミュニケーションの力を養ってほしい」と呼びかけた。大和田さんは「自分の命は自分で守るしかない。命をどう守っていくかという使命感を忘れてはいけない」と強調した。
パネル討論には同校の生徒や小塩江小の児童ら約50人が参加し、代表生徒が同市長沼地区の「藤沼湖」の決壊や放射線などをテーマに発表した。参加した芳賀絆生(きずき)さん(3年)は「まずは自分を守り、他の人の命を助けられるようになりたい」と力を込めた。