充填室で爆発か...カセットボンベ製造工場で火災、3人重傷 二本松

10日午後2時55分ごろ、二本松市高平の東北東海の従業員から「火災が発生した。ガス充填(じゅうてん)室で爆発が起きたようだ」と119番通報があった。二本松署や安達地方消防本部によると、同社第1工場から出火、周囲の山林にも延焼した。従業員の男性4人が救急搬送され、うち3人がやけどで重傷という。同署が出火原因などを調べている。
12世帯20人避難指示
火災が発生したのは卓上用こんろのカセットボンベを製造する工場。救急搬送された4人以外の従業員は避難し、けが人は確認されていない。同消防本部は同日午後5時17分、ガス爆発と延焼の恐れがあるとして、工場から半径500メートルの12世帯、20人に避難指示を出した。
避難指示を受け、二本松市は最寄りの岳下住民センターに避難所を開設。住民20人と同社従業員を合わせて最大で30人が避難した。また火災の影響で東北道福島西―本宮インターチェンジ間の上下線が一時通行止めとなった。
現場はJR二本松駅から西に約3.4キロの高台にあり、周囲には山林が広がる。
住民「大きな音、怖かった」
現場では時折「バーン」という音とともに火の手が上がり、黒い煙が充満した。周辺には爆風で吹き飛んだとみられる窓枠のような資材などが散乱し、爆発の激しさを物語った。
工場から上がる黒煙は二本松市役所からも見え、市内には消防車やパトカーのサイレンが鳴り響いた。
工場周辺は二本松署が立ち入りを規制し、従業員や近隣の住民は避難を促された。火災発生時も勤務していた従業員は「ものすごく大きな爆発音が聞こえ、地震かと思った」と爆発の激しさを振り返った。
工場から約500メートル付近に住む70代女性は庭先を掃除していたといい「『ドカーン』と大きな爆発音が1回聞こえ、怖かった。黒煙が上がり、煙臭かった」と不安げな表情を見せた。周辺の山林で木を伐採していた70代男性は「地響きのような音に驚いた」と話した。
岳下住民センターに開設された避難所に、家族4人で身を寄せた80代男性は「何日ぐらい避難が続くか分からない。早く平穏が戻ってほしい」と表情を曇らせた。
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