伊達崎橋「全体的な修繕必要」 東北地方整備局が診断結果報告
昨年3月の本県沖地震で被災した阿武隈川に架かる県道浪江国見線の伊達崎(だんざき)橋(桑折町)について、東北地方整備局は10日、直轄診断の結果を県に報告、地震被害に加え老朽化が進んでおり、被災箇所だけでなく全体的な修繕が必要とした。県は診断結果に基づき、国に直轄代行を求めることも視野に修繕方法の検討を進める。架け替えの必要性については「設計を進める中で判断する」とした。
伊達崎橋は延長303.1メートルで、1961(昭和36)年に建設。現在、大型車両の通行が規制されている。
報告によると、橋桁や橋脚全体にコンクリートのひび割れや鉄筋の露出などが確認された。川の流れにより川底が削れたり、橋脚の土台部分のコンクリートが剥がれたりして地震で倒壊する可能性が懸念され、早急に安全性確保の対応が必要と指摘。個々に修繕するより、「橋全体のバランスが取れるよう複数の対策を組み合わせることを検討するのがいい」とした。
橋脚は鉄筋の腐食が疑われ、最新の基準に沿った性能も持っていないと考えられるため、早急な対策と全体的な補強の必要性を挙げた。橋桁など上部は、現時点で緊急対応は必要な状態にはないとした。ただ、表面から水が染みこみ、内部が腐食している恐れがあるため、「長寿命化や維持管理性の向上を検討する時期に至っている」とした。
県は国土交通省に直轄診断を要請し、同整備局が昨年4月11日~今月10日に診断を行った。同整備局道路部の石津健二道路保全企画官が県庁で曳地利光県土木部長らに調査結果を報告した。