とうほう・みんなの文化センター、2025年度に復旧完了へ

 

 本県沖を震源とする昨年3月の地震で被災し利用が中止されている福島市のとうほう・みんなの文化センター(県文化センター)大ホールについて、2025年度中の復旧工事完了が見込まれていることが分かった。被害が確認された天井の耐震性を高める方針で、復旧費は現時点で約5億円と試算されている。10日の2月定例県議会企画環境委員会で県が示した。

 県によると、大ホール客席の天井部分は、屋根裏から金具でつり上げる特殊な構造となっている。東日本大震災で被災した際には金具を増やすなどの対応を取ったが、昨年3月の地震で金具が折れたり、曲がったりするなどの被害が確認された。県は現状復旧では、同程度の地震に耐えられないと判断、屋根裏にはりを追加し、はりと天井を直接固定させる構造にすることで耐震性を高める。

 県は2月県議会に提出した新年度一般会計当初予算案に関連費を計上。新年度は詳細設計を行い、復旧工事に着手する。工期は着工から1年半程度という。県は「安全性を高めるための判断。一日も早い復旧を目指す」(文化振興課)としている。

 企画環境委ではセンターの新築についての質疑もあった。県の担当者は、立地場所や施設の機能、規模など幅広い検討が必要との認識を示し、「隣県などの情報を集め、文化関係団体の意見も聞き取り調査していく」と述べるにとどめた。