「警報音後に爆発」 二本松工場火災、見分13日以降

 
工場周辺で警戒する消防団員。黒く焼け焦げ、ひしゃげた屋根が火勢の激しさを物語る

 二本松市の東北東海第1工場で10日に起きた爆発を伴う火災で、従業員が火災直前の状況について「アラームが鳴り、爆発が起きた」と話していることが11日、関係者への取材で分かった。卓上用こんろのカセットボンベを製造中、何らかの原因で室内に充満したガスに引火した可能性が高いとみられる。二本松署や安達地方消防本部は13日以降、消防科学研究センターなどと合同で実況見分を行い、原因などを詳しく調べる方針。

 10時間後に鎮火

 二本松署などによると、火災は10日午後2時50分ごろに出火し、約10時間後の11日午前1時10分ごろ鎮火した。30~40代の男性従業員4人が救急搬送され、うち3人がやけどで重傷を負った。発生直後の119番通報では、従業員が「ガス充填(じゅうてん)室で爆発が起きたようだ」と話していた。同本部によると、2階建て工場のうち、ガス充填室がある1階南西側の燃え方が激しく、同所から工場内に延焼し、1、2階合わせて6千平方メートルほどを焼いたとみられる。

 同本部が爆発と延焼の恐れがあるとして工場から半径500メートルの12世帯、20人に出していた避難指示は10日午後11時に解除された。

 同署は11日、同社関係者から事故発生時の業務体制などを聞いたほか、工場の敷地内への立ち入りを規制した。同本部は再燃防止のために警戒に当たった。