「数日前、2人は談笑」 いわき殺人逮捕、近隣住民驚き隠せず

 

 いわき市山田町堀ノ内の自宅寝室で根岸三男さん=当時(77)=が殺害された事件は、発生から約2カ月で急展開した。いわき南署捜査本部に殺人容疑で逮捕されたのは、第1発見者とされていた柳田マサ子容疑者(75)だった。内縁関係だった2人の同居生活は約25年。事件発覚数日前には談笑する姿も目撃されていたことから、付近住民からは驚きや戸惑いの声が聞こえた。

 「まさか...」。現場近くに住む60代女性は柳田容疑者の逮捕に驚きを隠さない。根岸さんが殺害されたとみられる14~15日の数日前には、自宅の庭先にいる2人を見かけており「談笑しているように見えたのに」と困惑した表情を浮かべた。

 関係者によると、柳田容疑者と根岸さんは、1991(平成3)年ごろ、職場が一緒だったいわき市のゴルフ場で知り合った。5年ほどで退社し、根岸さんは市内の飲食店などに勤務したほか、自宅でそばを打ち飲食店に卸売りしていた。柳田容疑者も配送などを手伝っていたという。近年は根岸さんが1階、柳田容疑者と柳田容疑者の娘は主に2階で生活、食事などはそれぞれ取っていて互いに干渉はなかったという。秋田犬を数匹飼っていた根岸さんは近隣と交流があったが、柳田容疑者については「表に出てくるような人ではなかった」など人柄を知る人は少なかった。現場近くの80代男性は「最近怖い事件が立て続けに起きていたので、一つの事件が解決して良かった」と話した。

 14日に送検

 いわき南署で13日開かれた記者会見には捜査本部長の安斎浩明刑事部長、江連俊治いわき南署長、小松義夫捜査1課長が出席した。同捜査本部は14日に柳田容疑者を送検し、犯行の動機など全容解明を進める。