伊達橋仮橋、10月完成見込み 福島県沖地震被災地の工事長期化

通行止めが続く伊達橋で行われている仮橋設置工事=伊達市
本県沖を震源に最大震度6強を観測した昨年3月の地震から1年が経過する中、被災地の復旧はまだ途上だ。震度6弱を観測した伊達市では、阿武隈川に架かる国道399号の伊達橋の通行止めが長期化、仮橋の完成も10月になる見込みだ。
橋の通行止めで周辺では交通渋滞が慢性化しているほか、商店などでは交通の流れが変わったことで売り上げが激減するなど影響が出ている。ガソリンスタンドを経営する橘石油の橘善雄社長(71)は「周辺のほかの店も売り上げが落ちている。行政に声を上げているが、支援などには結び付いていない」と切実だ。仮橋完成後、利用者が戻ってきてくれるのだろうかという不安もあるという。同じく阿武隈川に架かる昭和大橋(桑折町)については、31日に再開通を予定している。
また、相馬市では被害を受けた住宅などの公費解体で、申請のあった1169棟(2月28日時点)のうち工事が完了したのは、4割程度の500棟とどまっている。市などによると、人手不足などが要因となっているという。