地震被災の伊達崎橋、国が修繕へ 内堀知事、歩道設置も要望

 

 本県沖を震源とした昨年3月の地震で被災した県道浪江国見線の伊達崎(だんざき)橋(桑折町)を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は16日、国の修繕代行による整備に前向きな姿勢を示した。今後、省内で検討し、正式な回答を県に伝える見通し。

 内堀雅雄知事がオンラインで斉藤氏に修繕代行を要望した。会談は冒頭以外非公開。県によると、斉藤氏は「しっかり検討するよう事務方に伝える」と応じたという。内堀知事は斉藤氏の回答に「心強い言葉をいただいた。県としても早期復旧に取り組んでいく」と述べた。

 また内堀知事は修繕代行を進める中で、地元からの要望を踏まえて歩道の設置も求め、斉藤氏は検討すると応じたという。県は「早期復旧、早期交通の確保に向けて前進したと受け止めている」(道路管理課)とした。

 伊達崎橋を巡っては、同省が10日に直轄診断の結果を県に報告。診断によると、橋脚基部の一部で鉄筋がむき出しになっていたり、基礎部が川の流れでえぐられたりしていた。橋桁などの上部の伸縮装置などでは地震による損傷が確認された。修繕に向けては、橋脚や基礎の補修にとどまらず、上部の構造変更も含めて検討する必要があると報告した。

 県は診断結果を踏まえ、橋全体のバランスを考慮した修繕や歩道の設置などを検討するには、広範な知識や高度な技術が必要と判断し、修繕代行を求めた。

 伊達崎橋は延長303.1メートルで1961(昭和36)年に建設された。現在、大型車両の通行が規制されている。このほか昨年3月の地震で被災した国道399号の伊達橋(伊達市)は全面通行止めとなっており、国の権限代行による災害復旧や仮橋の設置が進められている。

 桑折町道の昭和大橋は、県が町に代わって復旧を担い、31日に再開通する。伊達崎橋の修繕代行が決定すれば、県北地区で被災した3橋の復旧の方向性が定まる見込み。