佐藤宏隆氏の副知事新任同意

内堀雅雄知事は17日の2月定例県議会最終本会議で、今月末に任期満了を迎える井出孝利副知事(63)の後任に、元県総務部長の佐藤宏隆日赤県支部事務局長(61)を起用する人事案を追加提案し、県議会は全会一致で同意した。任期は4月1日から4年。
佐藤氏は伊達市出身。中央大法学部卒。1985(昭和60)年入庁。総務部政策監、福島医大理事・事務局長、保健福祉部長を歴任し、2019年4月から2年間、総務部長を務めた。21年3月の退職後は、日赤県支部事務局長を務めている。知事の職務代理者筆頭順位の鈴木正晃副知事(67)は今年1月に再任され、3期目に入っている。
県民の命と健康、尊厳守る
副知事への就任が決まった日赤県支部事務局長の佐藤宏隆氏は福島民友新聞社のインタビューに応じ、抱負や課題解決に向けた考えを語った。(聞き手・編集局長 小野広司)
―副知事就任の抱負を。
「退職後の2年間、県との距離があったが、昔の仲間とまた仕事ができる楽しみもある。感覚を取り戻すまでのタイムラグがないようにしたい」
―外にいる立場から最近の県政をどのように見ていたか。
「復興は順調に進んでいる部分、進んでいない部分があり、時間の経過により懸念が深まっている問題もある。人口減少には歯止めがかかっておらず、地方創生にも力を入れていかなければならない」
―県と市町村との向き合い方をどのように考えているか。
「富岡町に副町長として派遣されていた経験も踏まえ、取り組みや考え方は自治体によってさまざまで、柔軟に対応していく必要がある。政令指定都市がない本県は歴史的に県の存在が大きかったが、県に頼らなくてもやっていける自治体が増えることが望ましいとも考えている」
―県の重点施策の一つである健康づくりにどのように取り組んでいくか。
「保健福祉部長を務めた5年前から指標が改善されたとは言えないが、即効性のある対策や特効薬はない。時間はかかると思うが、県民に『自分ごと』として認識してもらい、浸透させていく」
―経済活動の活性化に向けた取り組みは。
「出口戦略としては産業振興のためにどう取り組んでいくか、入り口は業種にかかわらず、担い手の確保だ。学校教育だけでなく、人間教育を含めた基盤が必要。女性の流出が続くのは子どもを産み育てやすい環境だとは必ずしも言えないことが背景の一つだろう。反転攻勢に出る」
―若手職員、そして県民にメッセージを。
「若手職員には自分の仕事に『矜恃(きょうじ)』を持ってほしい。自分が果たすべき役割、使命を認識し、実行する覚悟が矜恃だ。日赤県支部では『人間の命と健康、尊厳を守る』ということをスローガンに過ごした。県民の命と健康、尊厳を守ることが県の大きな使命。そのために力を尽くしたい」