老朽化復元住居、屋根や柱修復 県史跡、二本松・原瀬上原遺跡

 
竪穴式住居の修復作業に当たる保存会員ら

 二本松市の原瀬上原遺跡保存会は、県史跡に指定されている縄文時代中期の竪穴式住居跡「原瀬上原遺跡」で、復元住居を修復した。

 同遺跡では、18軒の竪穴式住居跡が見つかり、県内の縄文期住居跡で最初に集落跡と確認された。うち12軒が埋甕がある複式炉を伴う住居跡で、複式炉がこの時代に普遍的に備えられていたことが明らかになった。かつて5棟が復元され、その後に3棟に減らして修復されていた。

 修復は4回目。老朽化により復元住居は朽ち、今回は市の補助を得て1棟のみを修復した。

 修復作業は2月中旬から今月初旬にかけて6回にわたって渡辺靖久会長らが実施。かやぶき屋根のふき替えや、3本ある主柱のうち腐敗した1本の補充などを行った。カヤは猪苗代町や、同市岩代地域などから調達した。

 同市原瀬地区代表区長の高宮文作さんは「原瀬上原遺跡から原瀬地区は発展し、遺跡は地域の文化財であり、宝だ。地域のシンボルとしてしっかりと継承していきたい」と話した。