AIが分析、無駄なく電気使用...若松、脱炭素先行地域に 環境省選定

 

 環境省は28日、政府目標の2050年に先駆けて30年度までの脱炭素化に取り組む「先行地域」の第3弾として、会津若松市など13県の16件を選んだと発表した。県内の選定は初めて。市は人工知能(AI)を活用し、時間帯や天候による消費電力の変化を分析することで、再生可能エネルギー由来の電気を無駄なく使う取り組みを計画している。

 市によると、消費電力は「会津アピオ」「鶴ケ城周辺」「湊」の3エリアに分けて分析する。これまでの調査で、平日日中の消費電力は事業所の多い鶴ケ城周辺で多く、住宅の多い湊で少なかったという。一方、商業・物流施設が集まるアピオは時間帯による変動がほとんどなかった。

 今後は1年間を通じ、時間帯のほか気候、イベント開催などによる消費電力の傾向をAIが分析。分析結果を基に、蓄電池の充放電によってエリア間の電気の需給調整を行い、電気の無駄をなくす体制の構築を目指す。

 市はこのほか、省エネ家電の購入、ごみの減量といった脱炭素化につながる取り組みをした市民に、同市で運用されているデジタル地域通貨「会津コイン」を交付することも検討している。交付対象になる取り組みや金額は今後決める。

 政府は25年度までに、先行地域を少なくとも100件に増やす考えを示している。先行地域に選ばれると、脱炭素の事業費の3分の2が交付される。交付金の上限は50億円。