「トキオバ」1周年、高まるワクワク 記念行事、国分太一さん訪問

人気グループ「TOKIO」が福島県西郷村小田倉に構える活動拠点「TOKIO―BA(トキオバ)」は5日、オープンから1年を迎えた。地元の観光施設や店舗からは「どんな新しいことが生まれるのか」と期待の声が上がる。国分太一さんが1周年記念イベントに合わせて現地を訪れ「地元の施設と手を組んで福島や西郷の魅力を発信できれば」と意気込みを語った。
同村熊倉の直売所「まるごと西郷館」のスタッフ舟木容子さん(49)は「オープン当初は場所を尋ねられることが多かった」と振り返る。一般開放した日はファンとみられる幅広い年代が同館に立ち寄っていた。
昨夏、城島茂さんが同館を訪れ、村産野菜「ルバーブ」を使用したアイスを購入し、トキオバの情報を発信するアプリの配信でアイスを紹介。配信後、同館のホームページ(HP)のアクセス数が急増し、アイスが飛ぶように売れたという。
トキオバのアプリやHPでは同館を含めた村の観光地などを発信している。舟木さんは「トキオバは西郷村の知名度アップに貢献している。今後の動きを楽しみにしている」と話した。
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故を受け、大堀相馬焼松永窯は浪江町から同村に拠点を移した。TOKIOのテレビ企画「DASH村」と同郷で、窯元の松永和生さん(74)は「何かしらの縁を感じる」と感慨深そうに語る。
松永さんはDASH村と接点はなかったが、知人の窯元はDASH村の企画で窯やろくろを作り、TOKIOメンバーに焼きの指導をしていたという。昨年10月にはトキオバのイベントに出店し、絵付け体験コーナーを設けた。トキオバとの関係をこれからつくり「今後は一緒に西郷村と浪江町を盛り上げていければ」と意欲を示した。
国分太一さん柵作り 「一人一人の力で形に」
トキオバには、こいのぼりの絵が描かれたはがきが展示されたほか、昨年制作したフラッグを再利用した巨大こいのぼりも掲げられた。5日の1周年イベントには、駐車場が満車になるほど県内外からの多くの来場者であふれた。
7日までの3日間はTOKIOメンバー3人が一人ずつ訪問する。5日は国分太一さんが来場し、畑の柵を設置する作業に取り組みながら来場者と交流した。国分さんは取材に「未完成の状態から人を呼んで、一人一人の力で形にしていきたい」と話した。
西郷村の准看護師相川仁美さん(38)は、家族とおいの5人で来場した。相川さんと長男は3度目で「(オープンから1年がたち)広場に柵ができたり、ケヤキの木が植えられた。景色が変わった」と目を細めた。
山形県から初めて訪れた会社員遠藤李沙さん(39)は、長女と一緒に森の中を散策し「こんなに広いとは思わなかった」と驚きの表情を見せた。国分さんが作業に取り組む姿を見て「本当に本人たちがこの場所をつくっている」と感激した様子だった。