いわき湯本を東北一の温泉街へ ブランド戦略素案まとめる

 
ビジョンの素案がまとめられた冊子

 いわき湯本温泉の再整備に際したブランド化について協議を進めてきたまちづくり専門家と地元団体による組織「作戦会議」は、温浴施設を軸に地域住民や観光客にとっての魅力的な居場所づくりを通じて「東北一の温泉街にする」などとしたブランド戦略の素案をまとめた。素案作成に関わったまちづくり団体「じょうばん街工房21」は6月にも、まちづくりを進める民間会社を設立する考えを示している。

 常磐地区市街地一帯の再整備に関して、昨年10月に市が策定した基本計画の実現に必要として、話し合いを進めてきた。素案の内容は「新・いわき湯本温泉 まちづくりビジョンブック」として冊子にまとめられた。

 再整備予定の各エリアや新施設に求められる機能、イメージを紹介。3カ所に開設する日帰り温浴施設が観光客の回遊性を高め、支所や図書館、温浴施設などが入る駅前の複合施設や駅前広場で人の交流をつくるとした。中心となる商店街のにぎわいや、自然を楽しむ散策路などのイメージも打ち出した。

 冊子完成の報告会が4月27日、JR湯本駅前の集会施設「あとち集会所」で行われ、素案の内容について説明を受けた内田広之市長が期待を寄せた。じょうばん街工房21の小泉智勇会長は「まちづくりの主語は自分たち(地域住民)でなければならない。市と手を組んでやっていきたい」と意気込みを語った。

 冊子はいわき市のホームページにアップロードされているほか、あとち集会所内に掲示されている。

230507news5-02.jpg内田市長(前列左)に冊子の完成を報告した小泉会長(後列左から2人目)ら委員