旧大久保小校舎に新工場 サンワ、本年度中の稼働目指す

 
協定書を交わした木幡市長(右)と自社で製造した商品を手にする山川社長

 グッズ製造販売のサンワ(埼玉県)は新たに福島市飯野町の旧大久保小に福島第2工場を設け、本年度中に稼働を目指す。市と同社が8日、統合で空き校舎となっている同校の利活用に関する協定を結んだ。

 同社はキャラクターやアニメ、プロスポーツチーム、アーティストの関連グッズなどを手がけ、アクリルグッズや缶バッジで国内トップクラスの生産数がある。2020年には東日本大震災後に飯舘中の仮設校舎となった飯野町の建物に福島工場を開設し、関連会社を含め約150人が働いている。受注が堅調なことから福島工場の生産能力も増強し、二つの工場で今後280人程度の雇用を見込む。

 旧大久保小は21年3月に閉校となった。市は昨年度から、民間事業者に空き校舎などの現在使われていない公有施設を利活用してもらう「提案型民間活力導入制度」を創設。今回が第1号で、譲渡額は1億1400万円を予定している。

 協定締結式は市役所で行われ、木幡浩市長は「災害が続いている福島に立地してもらい、復興や廃校からの再生のシンボルになる」と歓迎した。

 山川景子社長は「福島の人の良さを感じており、会社にとっては数値化できないエネルギーになっている」と話した。