若手の早期離職防止へ 福島県が支援策強化、企業に専門家派遣
県は本年度、若手社員の早期離職防止に向けた支援策を強化する。これまで行ってきた異業種の若手社員同士の交流会に加え、新たに職場環境など各企業が抱える課題の洗い出しや解決策を提案する専門家の派遣事業を始める。若手社員と企業に対する支援事業を両輪で展開し、職場の定着率向上へとつなげる。県が9日、発表した。
企業向け支援では、キャリア支援機構(郡山市)に所属するキャリアコンサルタントを県内企業に派遣。経営者や採用担当者らに対する聞き取りに加え、従業員への面談かアンケートを実施する。結果を踏まえて企業の課題の洗い出しを進めるとともに、改善策の提案を行うという。
本年度は先着で10社程度を支援する計画で、離職率が高いことを課題と認識している企業を対象にする。効果的な施策と判断できれば、機構が手がけるセミナーなどで事例を共有していく考えだ。
若手従業員向け支援は本年度も継続する。県内企業のうち、特に小規模事業所では同年代の従業員がおらず、悩みなどを打ち明けられる環境がないことから早期離職につながるケースがあり、異業種での交流会をきっかけに「横のつながり」の構築を見据える。本年度は郡山、福島、白河、いわき、会津、相双の各会場でそれぞれ4回開く。入社3年以内の人が対象。定員は各会場で異なる。
福島労働局によると、新規高卒就職者の1年以内離職率は2021年3月卒業者で16・0%、3年以内離職率は19年3月卒業者で33・6%となっている。特に企業規模が小さいほど離職率が高い傾向にあるという。
機構では、新入社員や若手社員向けの相談窓口も開設しており、随時相談を受け付けている。各種支援事業は機構のホームページで詳細を確認できる。