「復興ツーリズム」推進 JR東が7月に組織、周遊コース整備

JR東日本は、東日本大震災の被災地を訪れ、地域と連携して被災者から地震や津波の教訓などを学ぶ旅「復興ツーリズム」を推進する。国や本県を含む自治体、旅行会社、各種団体などでつくる「東北復興ツーリズム推進ネットワーク(仮称)」を7月に発足させ、東北を周遊するモデルコースなどを整備、教育旅行の誘致活動などを展開する。JR東が9日、発表した。
期間限定で行ってきた「デスティネーションキャンペーン(DC)」と異なり、長期にわたる取り組みを通じて震災の風化を防ぎ、震災の教訓や災害への備えを後世に伝えていく。東北各地にある震災伝承施設を訪問し、交流人口の拡大を通じて被災地域の復興加速や地域の活性化につなげたい考えだ。
モデルコースは、震災伝承施設の見学や語り部の講話を通じて学ぶ防災・減災プログラムに加え、自然や歴史、文化、食などの東北の観光コンテンツや、地域の体験プログラムを組み合わせる予定。企業の新入社員研修やワーケーションなどでの活用も提案する。
伝承施設や東北の情報を集約し、交通広告媒体などを活用した発信にも力を入れる。復興庁が発行した「東日本大震災伝承施設ガイド」をJR東管内24カ所の駅たびコンシェルジュに設置するほか、JR東のウェブサイトに復興ツーリズムに関するサイトを7月に開設する。インバウンド(訪日客)誘致に向けた取り組みも進める。