福島県内人口トップ、いわき返り咲き 郡山、1カ月で陥落
いわき市の1日現在の推計人口が32万2642人となり、郡山市の32万2290人を352人上回り、2カ月ぶりに県内最多となったことが11日、両市への取材で分かった。いわき市は東北で仙台市に続き、再び2位に浮上した。県内市町村の推計人口を巡っては、郡山が4月1日現在の調査結果で約7年半ぶりにいわきを抜いたが、目まぐるしい首位交代となった。
「あっという間の(首位)陥落で驚きだ」。郡山市の関係者からはため息が漏れた。郡山は1カ月前、推計人口が32万2515人となり、2015年10月以降首位を守ったいわきを6人上回り、県内トップを奪還したばかりだった。この関係者は「人口は流動的なので仕方ない」と肩を落とす。
今月1日現在の推計人口は郡山が前月比225人減に対し、いわきは133人増。4月中の出生数から死亡数を引いた「自然動態」は郡山153人減、いわき235人減で郡山の方が減少幅は小さかったが、転入者数から転出者数を引いた「社会動態」は郡山72人減、いわき368人増だった。
郡山市によると、近年は死亡者が出生者数を上回る「自然減」が続いており、東日本大震災後に2000人台を保っていた出生数が昨年は1000人台に下がった。市の担当者は「(子育て支援の)ベビーファースト運動や企業誘致の施策に力を入れたい」と巻き返しを狙う。
「生活が落ち着いてから転入届を出すなど、転出との時間差が1カ月で順位の入れ替わった要因ではないか」。いわき市の担当者は交代劇を冷静に解説する。
とはいえ、市の関係者からは「実際は依然として、いわきの方が人口は多いと思う」との声も上がる。ただ、人口減少傾向はいわきも同様のため、市は転出の上振れで再び順位が入れ替わる可能性も示唆する。
浜通りでは福島国際研究教育機構(エフレイ)の設立に伴う波及効果が期待され、市の担当者も「移住などで人口にプラスに働く可能性もある」と切望する。