2期連続で増益 福島銀、グループ全体底上げ効果

 

 福島銀行が12日発表した2023年3月期連結決算は、売上高に当たる経常収益が132億9000万円(前期比0.8%増)、経常利益が11億4500万円(同44.1%増)、純利益が8億6800万円(同5%増)の増収増益となり、2期連続で黒字を確保した。

 グループ全体の底上げの効果が見られた。21年4月に誕生したふくぎんリース&クレジットは子会社2社の合併による経費削減もあって収益を伸ばした。

 銀行単体では貸出金利息がほぼ前期並みだったが、投資信託の販売や金融商品の仲介による手数料が不安定な市場環境を背景に伸び悩み、本業収益は13億2000万円で前期から約3億円減少した。有価証券の運用では債券などの評価損が66億円に膨らんだものの、信用力が高い国債や地方債が中心のため元本割れのリスクは低いとしている。

 与信関連費用は3億3万円で大幅に減少した。ただ、新型コロナウイルスや物価高の影響で倒産件数が増加しており、取引先の業績悪化に備えて経営改善に向けた支援を強化する。

 配当は期末で前期と同じ1株当たり5円を予定している。銀行の健全性を示す自己資本比率は連結が7.74%(同0.02ポイント増)で国内基準の4%を上回った。不良債権比率は1.98%(同0.04ポイント増)だった。

 24年3月期の連結業績予想は経常収益132億円、経常利益6億円、純利益5億円とした。24年の次世代バンキングシステム導入にかかる経費を考慮し、減益を見込んでいる。