研究開発や人材の育成などで連携協力 エフレイと福島大が合意

 
協働の推進を図る基本合意を結んだ山崎理事長(左)と三浦学長=福島大

 エフレイは17日、福島大と連携協力に関する基本合意を締結した。研究開発や人材の育成・交流、保有施設・設備の相互利用―で連携し、復興の進展を図る。エフレイの基本合意締結は福島高専、福島医大、いわき市に続いて4件目。

 両者は昨年度、先行研究として湖沼の環境を調査する水中ロボットの研究開発を進めたほか、農林水産業分野でも地域循環型の農村モデルの構築に取り組んだ。エフレイはトップセミナーの開催などを通じて同大学生の育成にも注力する。

 同大で行われた締結式で、エフレイの山崎光悦理事長は「先行研究を引き継ぎ、発展させていく。人材育成を含めて、切れない関係性を築きたい」と述べた。

 三浦浩喜学長は「世界最先端の研究を行うエフレイとの連携は大変心強く、地域と共に21世紀の課題に立ち向かう本学にとって大きな励ましになる」と評価。先行研究分野以外を含め、幅広い協力態勢を構築する方針を明らかにした。

 自ら考える能力大切に 山崎理事長講演

 福島国際研究教育機構(エフレイ)の山崎光悦理事長は17日、初のトップセミナーを福島大で開催した。科学技術の可能性や学問の重要性を伝える人材育成の一環で、同大食農学類1年の約100人が出席。現代社会で求められる人物像や能力について耳を傾けた。

 演題は「これからどう過ごす? 大学ライフのススメ」。山崎氏は入学1カ月半の学生に「これから皆さんが取り組む課題は答えが一つとは限らない」と強調。正解を覚えるのではなく自ら考え、判断する能力の重要性を説いた。

 国際競争力の低下や少子高齢化に直面する日本の現状を踏まえ、人工知能(AI)などの先端技術を活用する未来にも触れた。国際社会で活躍する人材になるために「教養を深め、高い倫理観と人としての力を磨いてほしい」と呼びかけた。

 終盤、学生からは「農業の担い手が減る中でどのような対応が望ましいか」などの質問が出た。

 聴講した中島楓斗さん(19)は「海外の視点を持つ必要性を感じた。まずは基礎学力を固め、海外に負けない研究者になりたい」と語った。

 セミナーは大学や高等専門学校、高校などを対象に、エフレイ役員や各研究分野のトップが講師を務める。第2回は今月末に会津大で開かれる。