雑草抑制...「アイガモロボ」公開 東北大など浪江の水田で実証

 
アイガモロボの実証現場を公開した開発者の中村氏(右)ら=浪江町酒田地区

 東北大と農業支援ベンチャー有機米デザイン(東京都)、浪江町は22日、同町酒田地区にある半谷農場の水稲ほ場で、水田雑草抑制ロボット「アイガモロボ」の実証現場を公開した。アイガモロボの導入で有機米農法の確立や農業者の負担軽減などを図るため、検証を進める。

 アイガモロボは長さ130センチ、幅90センチ、高さ30センチで、下部に設けたスクリューが水田の土をかき回して雑草を抑制する。土を巻き上げることで水田全体を濁らせて太陽光を遮り、雑草が光合成しにくい環境をつくったり、軟らかい土の層を形成して雑草の種を出芽できない深さに埋めたりする。

 実証は2年目で、浪江町と南相馬市で実施。福島イノベーション・コースト構想推進機構の事業の一環で、井関農機(松山市)が協力。浪江町では約30アールの水田で今月から始め、東北大などがロボット導入による生産性評価などを行う。

 アイガモロボ開発者で有機米デザインの中村哲也取締役(49)は、仙台市出身者として同じ東北の農業復興に貢献したいとし「人手をかけず、農薬を使わず、市場価値の高い有機米を作り、浪江の農業者のビジネスにつなげたい」と話した。