天栄・羽鳥ダム18日供給終了 貯水率回復せず、農業への影響懸念

 

 県南7市町村の農地約3200ヘクタールに農業用水を供給している「羽鳥ダム」(天栄村)の貯水率低下を受け、矢吹原土地改良区(矢吹町)は15日、今季の水の供給を18日で終了することを決めた。水が供給できる9月10日より3週間ほど早く終了する。供給停止が早まることで、コメ作りなど農業への影響が懸念される。

 同ダムの水は須賀川、白河、鏡石、矢吹、天栄、泉崎、中島の7市町村で利用されている。同改良区によると、15日午後5時現在の貯水率は17%で、18日には13%まで下がることが見込まれている。通常は9月上旬まで農業用水を供給しているが、今年は降雨量が少なく、貯水率が回復しないことから、早期の供給終了を決めた。今季は供給を再開する予定はないという。

 コメ作りは現在、最も水を必要とする「出穂期」を過ぎてはいるが、今後も水が必要となることに変わりはない。ただ、既に一部の水田では、渇水の影響でひび割れた地面がむき出しの状態となっている。同改良区の担当者は「稲に目立った被害は確認されていないが、水不足が続くと、コメの収穫量減少や品質に影響してしまうかもしれない」と話した。

 羽鳥ダムでは2018年にも水不足になり、早期に水の供給を止めたことがある。その際は供給停止後に雨が降ったため、稲作の危機は免れた。