「クマ被害」受け対策会議 福島県、目撃は例年より多いペース

 

 本年度に入り観光客がクマに襲われる事故が北塩原村桧原で2件発生したことを受け、県は21日、同村で緊急対策会議を開いた。専門家は観光客への一層の注意喚起や目撃場所のマップ化などを提言した。

 県によると、今年は県内のクマの目撃件数が7月末現在で346件あり、過去5年間で最多に迫るペースで相次いでいる。北塩原村内でも7月末現在で13件の目撃情報があり、例年より多いペースで推移する(昨年度は年間で10件)。クマの餌になるブナが昨年は豊作だったため、子グマが多く産まれたとされる。

 県野生動物調査専門官の溝口俊夫さんはこうした状況を受け、イラストを取り入れた分かりやすい注意看板の設置や、センサーカメラを活用した目撃場所のデータ化とマップ化、クマの隠れ場所と移動ルートを排除するための小まめな草刈りなどを求めた。県は溝口さんの助言を基に対策を考える方針。被害が起きた同村の中瀬沼探勝路とレンゲ沼探勝路は現在、午後4時から翌午前9時まで通行禁止だが、規制ルートや時間帯も検証する。