福島県民注文「デマ防いで」 処理水海洋放出、政府の対応要求

 
処理水の放出開始時期を報道するテレビに見入る県民=22日午後

 政府が24日に処理水の海洋放出を始める方針を決定したことについて、県民はどう受け止めたのか。会津若松市の自営業風間学さん(52)は「(原発敷地内にため続けた処理水を)いずれどうにかしなくてはいけないことは分かるし、仕方がないのかもしれない」と語り、放出の必要性について複雑な胸の内を明かした。

 福島市の大学生対馬楓菜(ふうな)さん(21)は「海洋放出後も政府は漁業関係者や近隣国に安全性を丁寧に説明し続けなければいけない」と話した。郡山市の介護施設職員関根清美さん(66)も「政府が全面的に出て、あらゆる形の風評対策をしてほしい」と望んだ。

 いわき市の会社経営橘あすかさん(42)は「科学的に安全だとしても風評被害は意識的なもの」との認識を示した上で、これまでの対策の改善点を反映させた風評対策の実行を期待した。白河市の団体職員班目(まだらめ)康平さん(35)は交流サイト(SNS)などインターネット上で広がる誤情報に危機感を募らせ「間違った情報を広がらない対策に努めてほしい」と政府に踏み込んだ対応を要求した。