福島県内コロナ急増、お盆明け感染2000人超、「第9波」突入か

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行後、初めてのお盆期間が終わり、感染者と医療機関への入院者数が急増している。県医師会は25日、435医療機関で24日に受診した1373人の感染を確認し、大人が中心だったとする独自の調査結果を公表した。県医師会は「県内全域で感染が急拡大し、流行の『第9波』に入った可能性がある。医療機関が逼迫(ひっぱく)してきており、危機的な状況に近づきつつある」と警鐘を鳴らす。
県による82カ所の定点医療機関での調査では14~20日の1週間で計2072人が感染して10歳未満の割合が高かったが、県医師会の独自調査により感染拡大の状況が深刻になっている実態が浮き彫りになった。
新型コロナを巡っては、5月8日の5類移行後、感染者数の把握が定点調査に切り替わった。県医師会は詳しく把握するため、外来診療に対応する県内の医療機関の協力を得て、6月1日から毎週月、木曜日に感染者の全数を調べている。
県医師会の独自調査で把握した新規感染者数は【グラフ】の通り。
お盆以降は21日に463医療機関で2102人と2千人を超える感染が判明した。24日の感染状況を年齢別に見ると、10~70代の各年代で140人以上が感染した。直近の県の定点調査では10歳未満の感染者数が最も多い傾向だったが、県医師会の調査では10歳未満の子どもよりも大人の方が多く感染している傾向が分かった。
いわき最多、福島は倍増
県医師会の独自調査から24日の感染状況を地域別で見ると、いわき市が274人で最も多く、郡山市236人、相馬郡158人、福島市152人だった。県医師会などによると、現時点で医療機関の間で入院調整は行われていないという。
中核3市保健所によると1定点医療機関当たりの感染者数(14~20日)は、いわき市が21・69人で、前週の13・77人から急増。福島市は前週の2倍に当たる20・67人で、5類移行後最多だった。郡山市は前週の約1・4倍の18・54人だった。
夏祭りやお盆期間の帰省で人の流れが拡大したことが背景にある。保健所などは、換気など基本的な感染防止対策に加え、抗原検査キットや解熱鎮痛剤、食料品、生活必需品も準備するよう呼びかけている。
入院前、週比158人増
県は25日、新型コロナウイルス感染者の入院状況を発表した。23日現在、感染が確認された457人(前週比158人増)が入院している。このうち重症者は3人(同3人増)だった。確保病床(623床)使用率は41・1%(前週比16・2ポイント増)となり、4割を上回った。
県内82カ所の定点医療機関で14~20日に把握した新規感染者は9週連続で前週を上回っており、1定点当たりの感染者数は25・27人で前週より2倍近く増えた。
県は「体調管理をしながら、場面に応じたマスクの着用など基本的な感染対策を引き続きしてほしい」としている。
子どもより大人が多い傾向
福島市のいちかわクリニックには、25日も新型コロナに感染したとみられる子どもが診察に訪れた。市川陽子小児科医(66)によると、新型コロナに感染した子どもは発熱や喉の痛み、せき、強い倦怠(けんたい)感を訴えている。大人は発熱していなくても、喉の痛みを訴える人がほとんどだという。
検査については、症状が出てからすぐに受けるのではなく、発症からある程度時間を経てからすると正確性が増すとしている。市川医師は「現状は子どもよりも大人が感染している。大人が気を付けて、周囲にうつさないようにする必要がある」と感染対策の徹底を訴えている。
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