「学び舎でやっと会えた」 大熊の教育施設、新校舎で新学期開始

県内38市町村の公立小中学校で25日、2学期の始業式などが行われた。大熊町が同町大川原地区に整備した新しい教育施設「学び舎(や)ゆめの森」では、子どもたちが新校舎と初めて対面し、新たな気持ちで新学期をスタートさせた。
学び舎ゆめの森は認定こども園と義務教育学校が一体となり、内部には「図書ひろば」を中心に放射状に教室や体育館などが設けられている。0~15歳の子どもたちが同じ空間で交流し、好奇心を刺激し合う多様な学びの場となるよう設計されている。
中学3年の斎藤羽菜さん(14)は「この日をわくわくして待っていた。本がたくさんあって、勉強する所もカフェのようだ」と話した。
中心に「図書ひろば」
利用が始まった大熊町の新しい教育施設「学び舎(や)ゆめの森」では、子どもたちと校舎との対面式が正門前で行われた。缶ジュースが入った酒だるで鏡開きをした後、在籍する31人の子どもたちが目を輝かせながら続々と入場、約1時間にわたり校舎を探検した。
校舎は鉄骨2階建てで、5万冊の本が収蔵できる「図書ひろば」を中心に設計されている。教室の形は三角形などさまざまで、可動式の壁により多様な空間をつくり、多目的に学べる。
一角には会津若松市の国指定重要文化財「会津さざえ堂」をモチーフにした、らせん状の階段が連なるアーカイブの空間も設けた。大熊町は東京電力福島第1原発事故による避難で会津若松市に役場や学校など各種機能を設けた経過があり、震災からの歩みを振り返ることができる仕組みだ。
同校は今秋以降、校舎を地域住民らに開放し、地域の大人たちと一緒に学びを深めていく考えだ。南郷市兵園長・校長は「子どもたちが校舎の至る所を使い、好きなことや得意なことを伸ばす学びの場をつくりたい。地域住民と顔が見える学びやにしたい」と述べた。
教育施設は資材不足の影響で工期が遅れ、1学期は大川原地区の公共施設3カ所を間借りして授業を行った。大熊町では震災と原発事故による全町避難を経て、今春に12年ぶりに町内で学校教育が再開した。
9月22~23日、町民向け見学会
学び舎ゆめの森の町民向け見学会は9月22、23の両日に開かれる。22日は午後2時~同3時40分、23日は午前10時~同11時半と午後1時半~同3時。同21日には落成式典を行う。
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