常磐もの、変わらぬおいしさ 処理水放出後、初の週末

 
県内産海産物のおいしさを発信する特設コーナー=いわき市・マルトSC中岡店

 東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出が始まってから最初の週末となった26日、県内で「常磐もの」と呼ばれる県産海産物を扱う店舗やサーフィンの人気スポットは普段の週末と変わらず、にぎわいを見せた。スーパーでは県産海産物の魅力を発信するキャンペーンも本格化。懸念された風評による買い控えや価格下落は今のところ見られず、おいしさと安全性を伝える地道な取り組みが消費者の落ち着いた反応を引き出しているようだ。

 いわき市のスーパー「マルトSC中岡店」に相馬市松川浦産のアオサノリや浪江町の請戸漁港で水揚げされたシラウオ干し、四家酒造(いわき市)の地酒に漬け込んだシマホッケのフィーレなどがずらりと並ぶ。

 マルトは市内と茨城県の全店舗で26~28日に「ごひいき!三陸常磐キャンペーン」のコーナーを設けている。経済産業省などでつくる実行委と県内四つのスーパーが合同で展開する。

 市内から夫婦で訪れた50代男性は「処理水放出は必要以上に気にしていない。これまで通り購入したい」と商品を手に取った。一方、市内の女性(70)は「今のところは問題はないと思うが、今後店舗に並ぶ商品には少し慎重になるかもしれない」と本音を口にした。