中国迷惑電話、政府対応を 処理水放出後、知事要請...業務に支障

 

 東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出開始後、中国からとみられる嫌がらせの電話が相次いでいる問題を巡り、内堀雅雄知事は28日、政府が福島市で開いた「原子力災害からの福島復興再生協議会」で、県内の旅館や飲食店、道の駅のほか病院や薬局にも電話があると明かし、政府に対応を要請した。渡辺博道復興相は外交ルートを通じて中国に抗議したと伝えた上で「問題が続くのであれば、より具体的な対応を考えなければならない」と述べた。

 協議会後、内堀知事と渡辺氏がそれぞれ報道陣の取材に答えた。内堀知事は「医療行為や薬の処方を営む場でも迷惑電話が続き、業務の円滑な運営に支障が生じている。こういう実情も踏まえ、政府一丸となって対応し、速やかに沈静化してほしい」と訴えた。

 渡辺氏は「極めて遺憾で憂慮すべきことだ」とした上で「医療機関への迷惑電話は命に関わる。政府として検討していく必要がある」と語った。

 また渡辺氏は、中国を含む国外での理解醸成に努めていく必要性を強調する一方で「今回の問題は処理水とは別次元の問題ではないか」とも言及。中国の日本人学校に石や卵が投げ付けられる嫌がらせが相次いだことに触れ「これは風評とは違う問題ではないか。外交上の問題としてしっかりと抗議すべき内容だ」と述べた。

 協議会は冒頭を除き非公開。政府から西村康稔経済産業相、西村明宏環境相、野村哲郎農相らも出席した。

 県の代表電話に1000件

 県によると、処理水海洋放出開始以降、県庁の代表電話に約1000件の迷惑電話があったという。また福島市は24~27日に市役所や学校、公共施設への不審電話が計770件あったと発表、多くが中国の国番号「86」から発信されたものだった。このほか、24~28日昼にかけて会津若松市は168件、いわき市は147件の迷惑電話を確認。郡山市は27日までの本庁舎と西庁舎への迷惑電話が計148件に上ったという。