福島県内熱中症搬送、5年で最多1598人 死者4人、重症33人

 

 お盆が明けた後も厳しい暑さが収まらず、県内で熱中症とみられる救急搬送が相次いでいる。県のまとめによると、本年度の救急搬送人数はこの5年間で最も多く、熱中症の疑いで亡くなったのは最多だった2019年度と同数の4人。今後も高温が続くと予想されており、県内各消防本部などは熱中症対策を取るよう注意を喚起している。

 本年度は今月27日現在1598人(速報値)に上り、最も多かった19年度の1442人を150人以上も上回った。死亡は4人、重症は33人、中等症は386人、軽症は1173人だった。

 須賀川市では7月29日、80代女性が熱中症の疑いで死亡した。須賀川地方消防本部によると、女性は屋内にいたという。

 屋内でも熱中症に注意が必要だ。須賀川地方消防本部管内で5~7月に熱中症の疑いで救急搬送された人のうち、屋内での発症が7割を占めた。高齢者を中心にエアコンを使っていないなど、室内の温度と湿度が上がった状態で見つかるケースが多い。担当者は「高齢者は温度や喉の乾きを感じる機能が低下するため、リスクが高まる」と話す。

 熱中症を防ぐため、同消防本部は「水分補給だけでなく、気温や湿度にも気を付けてほしい」と注意を呼びかける。具体的には室内の気温を28度以下、湿度を50~60%以下に保つことが大切となる。目まいや頭痛が出た場合には「重症化を防ぐため、異変を感じたら速やかに涼しい場所に移動したり、首や脇の下を冷やしたりするなどの対策を取ってほしい」と促している。