学校、病院にも「迷惑電話」 福島県内数千件か、福島は770件
東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出開始後、中国などからとみられる迷惑電話が相次いでいる問題で、県内にかかってきた電話は数千件に上るとみられており、県は実態把握に向け、市町村を通じて情報収集を進めている。
県庁の代表電話には25~28日正午ごろの間に約千件の電話があり、外国語で罵倒するような内容だった。
自治体で迷惑電話が目立つのが福島市だ。市は28日、処理水の海洋放出が始まった24日から27日までの間に市役所や市内の学校、公共施設への迷惑電話が計770件あったと発表した。このうち学校は75件だった。
中国の国番号「86」から発信された電話番号が大半だった。「もしもし」「こんにちは」から始まって中国語の音声テープが流れたり、中国語で一方的にまくし立てたりした後に電話を切るといった内容が多かった。
25日は一日で405件に上り、5~10分間隔で電話が来て業務に支障が出た部署もあった。その後は徐々に減少傾向にあるという。
市危機管理室の担当者は「行政の立場上、電話に出ないわけにもいかない。記録を残しながら、落ち着くまで耐えるしかない」と漏らした。
いわき市には24~28日正午ごろの間に市役所や市立学校、公共施設に計147件の中国からの迷惑電話があり、最も多かったのはアリオスの45件だった。
市医療センターにも10件の迷惑電話がかかってきており、市の担当者は「診察などへの深刻な影響には至っていないが、業務の妨げになっている。有効な対応ができないのも問題だ」と頭を抱える。
会津若松市には24~28日昼の間に計168件の迷惑電話があった。25日午前に観光課へ電話が一時つながりにくい状態になった。
郡山市には24日午後1時~27日の間に本庁舎と西庁舎に計148件の迷惑電話があった。主に観光課などで中国語の録音音声が流れる内容が多かったという。