再び海渡る「学びの旅」 中島中マレーシアへ、国際交流活発化

新型コロナウイルス対策による行動制限がなくなり、海外への渡航が自由になる中、県内で中学生や高校生による国際交流を再開しようとする動きが出てきた。中島村の中島中は県内の公立中学校で最も早く、9月にマレーシアへの修学旅行を再開する。海外を訪れる修学旅行は4年ぶり。生徒たちは現地の人に日本の文化を伝えようと準備しており「交流を深めてきたい」と胸を膨らませている。
「ヤー」「セイヤッ」。体育館に生徒たちの勇ましいかけ声が響く。中島中の3年生約40人が修学旅行で訪れるマレーシアでよさこいを披露するため、練習に励んでいた。参加した水野谷美桜さん(15)は「よさこいを通じて、マレーシアの人たちに日本の良さを知ってもらいたい」と声を弾ませた。
村は国際教育事業の一環で、2016年から同校の修学旅行先にマレーシアを組み入れてきた。多民族国家で英語が通じることに加え、村教委は「マレーシアは治安が良い。修学旅行先として受け入れやすい」と理由を説明する。
新型コロナの感染拡大で20年から中断したが、村は今年1月の現地視察で、住民がマスクを外して日常生活を送っているなど平静を取り戻したことを確認できたとして、再開を決めた。
生徒は9月11日から3泊4日の日程でマレーシア東部サバ州コタキナバル市を訪れ、現地校「イナナム・セカンダリー・スクール」の生徒と交流する予定だ。
「言葉を使わなくても、音楽や迫力ある踊りで日本らしさを伝えられる」と生徒全員によるよさこいの披露が決まった。学年主任の田代翔平教諭(32)の勧めもあり、演目には「夢(ゆめ)煙火(はなび)」を選んだ。思春期ならではの照れくささを隠し、全員で一体感を生もうと練習に打ち込んでいる。水野谷さんは「手足を大きく動かして、魅力的に見せることが難しい」と汗を流す。
ほとんどの生徒にとって今回が初めての海外渡航となる。大沢裕斗さん(15)は「海外の人と話をして、交流するのが楽しみ」と待ち遠しい様子だった。
現地では交流会のほか、市内の文化施設などを見学する予定で、日本との文化の違いも肌で感じる機会になる。佐藤英勝校長(58)は「世界を見てきて、視野を広げてほしい」と語り、生徒たちが「学びの旅」で成長するよう期待を寄せる。(小山璃子)
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