デブリ取り出し議論 廃炉国際フォーラム、「人材育成も必要」

 
廃炉に向けた課題についてパネル討論する専門家ら=いわき市

 東京電力福島第1原発の廃炉を考える「第7回福島第1廃炉国際フォーラム」は最終日の28日、いわき市で講演やパネル討論が行われ、国内外の専門家が第1原発で大量に発生する溶融核燃料(デブリ)の本格的な取り出しに向けて議論した。

 最終日のテーマは「本格的な燃料デブリ取り出しに向けて」。パネル討論では、国内外の有識者が廃炉に向けた課題や展望について意見を交わした。

 始めにデブリの大規模な取り出しで検討が進められている「気中工法」「冠水工法」「気中工法オプション(RPV充填(じゅうてん)固化)」の3案それぞれの利点や課題について議論。原子力規制庁の佐藤暁核物質・放射線総括審議官は「どの工法を取るにせよ、施設の中の全体像がある程度把握できないと進められない。前段階の状況把握から規制をひもといていく必要がある」と語った。

 このほか中島健京都大名誉教授が「新たな技術を取り入れるためにも、人の確保と人材の育成が必要になる」と人材育成部門の重要性を提起。NDF燃料デブリ取り出し工法評価小委員会の更田(ふけた)豊志委員長は「原子力分野だけではなく、広い分野の人に関心を持ってもらいたい」と話した上で「廃炉は長い時間の闘いになる。やりがいを持ってもらうためにも、東電や政府だけではなく教育機関での取り組みも重要になる」と強調した。