福島県内の除染土再利用は「適切」 IAEAが推進後押し

県内の除染で出た土壌の再生利用計画を巡り、国際原子力機関(IAEA)は日本政府が掲げる土壌の再生利用を「適切」と評価した。再生利用や最終処分に関する第1回専門家会合の報告書に盛り込んだ。環境省が1日、要旨を公表した。
再生利用について「適切な管理下で土壌を再生利用することは適切。土壌は貴重な資源で、再生利用は推進すべきだ」と評価。環境省が採用する覆土などの対策により、被ばく線量は人の健康に影響のない数値を「十分達成できる」とした。
県内の除染で出た土壌は中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)で保管されており、政府は2045年3月までの県外最終処分を法律で定めている。環境省は、処分量を減らす再生利用が実現の鍵を握るとしているが、県内外での実証試験は安全性などを懸念する周辺住民らが反対し、飯舘村など一部を除いて進んでいない。
IAEAは報告書で、国民的な理解醸成に向け「最終処分に関する計画をより明確にすることが有益」と指摘した。環境省は24年度までに、最終処分場の面積や構造などを検討する予定だ。ただ、処分地の選定、整備など25年度以降の計画は曖昧なままで、IAEAが戦略と工程の明確化を強く求めた格好だ。
国民の信頼を得るには安心への働きかけが重要だとして「セシウム以外の放射性物質の測定など、関係者の懸念に対応することが有用だ」とも提案した。
IAEAによる評価・助言は同省の要請で実現し、専門家9人が5月に飯舘村の実証現場や中間貯蔵施設を視察した。会合は24年前半まで残り2回開催される見通しで、終了後に包括報告書を国に提出する。
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