大熊で「路面太陽光発電」 東北初の設置、役場駐車場で実証実験

 
路面太陽光発電の上で協定書を取り交わした吉田町長(左)と黒川社長

 大熊町と大林道路(東京都)は1日、温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボン」の推進による復興まちづくりに関する連携協定を結んだ。同日から町役場駐車場で「路面太陽光発電」の実証実験を始め、再生可能エネルギーの導入拡大に向けて技術の確立を目指す。

 路面太陽光発電は、車両や歩行者が通行する道路に設置した太陽光発電パネルで発電する仕組みで、設置は東北で初めて。大林道路と早水電機工業(神戸市)が共同開発し、日本みち研究所(東京都)が町との連携に向けて仲介役を担った。

 実証は駐車場のバス停に接する通路にパネル48平方メートルを設置し、発電性能を確認する。落ち葉や汚れなどによる発電効率への影響、清掃頻度なども検討する。見た目や車両走行時の音の聞こえ方など、道路性能などのアンケートも行う予定だ。実証期間は1年。発電した電気は近くに設けた電子掲示板の電源として活用する。

 町役場で1日、協定締結式が行われ、吉田淳町長と黒川修治社長が協定書を取り交わした。吉田町長は「2040年までのゼロカーボン達成に向け、新技術を積極的に取り入れ、大熊の復興まちづくりを実現したい」と期待した。黒川社長は「技術確立により、大熊町が力強く復興することに結び付く」と述べた。

 日本みち研究所の森山誠二専務理事、早水電機工業の沖孝二専務らが同席した。