「救急出動」最多ペース いわき、熱中症や新型コロナ陽性者急増

 
平消防署に待機する救急車。いわき市消防本部は救急車の適正な利用への協力を呼びかけている

 いわき市消防本部は、熱中症患者や新型コロナウイルス陽性者の搬送が急増し、市内の救急出動数が過去最多ペースで推移していることから、救急車の適正な利用への協力を呼びかけている。

 市消防本部によると、市内で待機している救急車は13~14台。8月27日は13台の救急車が待機していたが、27分にわたり全ての救急車が出動する状況だったという。さらに出動件数が増えれば、救急車の代わりに消防車が出動し、救急資格を持つ隊員以外が対応するケースが発生する可能性があるとして、同本部は危惧している。

 今年に入ってからの救急出動数(8月28日現在)は1万526件。過去最多だった昨年の1万5437件を超えるペースとなっている。今年は熱中症関連が318件ですでに過去最多を更新し、厳しい暑さとなった8月は昨年同期比で約2倍以上だった。また新型コロナウイルスの陽性者も増加している。

 同本部の担当者は「救急搬送の約4割は緊急性の低い軽傷または軽症だ」とし、「『救急車を呼んでいいのか?』と思ったら、救急電話相談『#7119』などを利用してほしい」と理解を求めている。

 市内では、スマートフォンなどを使ってチャットで相談できるサービス「HELPO(ヘルポ)」でも受け付けている。