「5月最終土、日、月曜日」変更案を報告 相馬野馬追開催日程

 
野馬追の日程変更案が報告された保存会の総会

 国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」の開催日程を巡り、関係者や専門家らでつくる保存会と執行委員会は3日、南相馬市役所で総会をそれぞれ開き、来年から「5月最終土、日、月曜日」とした検討会の日程変更案を報告した。いずれの総会でも大きな異論はなく、保存会は今後、県や文化庁と本格的に日程変更に関する協議を始める方針。

 新日程の決定には、野馬追を重要無形民俗文化財に指定する文化庁の了解が必要となる。保存会は、文化財としての保存や継承の観点で指定継続に問題がないかなどを県や文化庁に確認する。文化庁の了解を得た後、保存会と執行委の臨時総会で決議する予定だ。

 保存会の総会で出席者からは「出場者の中には馬を借りたりする人もおり、ある程度の準備期間が必要になる」として早急な決定を望む意見があった。保存会長と執行委員長を務める門馬和夫市長は「現段階の検討状況には理解が得られたと考えている。十分な周知と準備期間の確保のため、対応を急ぎたい」と語った。

 野馬追は「7月最終土、日、月曜日」に開催してきたが、近年の猛暑を受け、涼しい時期への変更が必要だとして、2025年以降の変更に向けて議論が進んでいた。今年は熱中症による救護者が相次ぎ、馬2頭が死んだことから、検討会の会合で来年からの変更の前倒しを決定。五つの新日程案から猛暑や梅雨、農繁期を避けるなどの観点で5月最終週案に決まった。