福島県内「飲酒運転」増加傾向 8月末まで、前年同期比上回る

 

 県警による今年の飲酒運転取り締まり件数は8月末現在、212件で前年同期より7件(3.4%)増えた。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行した5月以降、増加に転じた。県警は「飲酒運転は極めて悪質で危険な犯罪」と注意を促し、取り締まりを強化している。

 累計で4月末までは前年より1件少なかったが、5月から増加に転じた。飲酒運転による人身事故は41件で、昨年より14件増えた。

 5類に移行した5月8日以降に発生した飲酒運転の違反や事故の計141件のうち、運転者の呼気中アルコール測定値が基準値の3倍以上となる1リットル当たり0.5ミリグラム以上となったのは71件で、約半数を占めた。酩酊(めいてい)状態とされる1ミリグラム以上も7件あった。飲酒運転をした理由は「飲み会、友人らとの付き合い」が34件、「晩酌、毎日の習慣」が22件だった。

 県警は「コロナ禍による『家飲み』に加え、5類移行に伴う規制緩和で飲酒会合が増加している」と分析し、「飲酒運転が非常に危険な行為であることを理解した上で、運転者や周囲の人が『飲酒運転を絶対にしない、させない』という意志を持ち、協力することが大切」と呼びかけている。