中国から嫌がらせ電話9200件 福島県確認、診療業務に支障も
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出後、中国からとみられる嫌がらせ電話が相次いでいる問題で、内堀雅雄知事は4日の定例会見で、県庁や県内市町村、県内の団体や学校などに県が把握しているだけで約9200件の嫌がらせ電話があったと明らかにした。
県庁には4日朝までに延べ約3700件、県の関係する団体や県立学校などには30日までに約2500件、県内市町村には8月30日までに約3000件の電話があったことを確認した。県内の医療機関の中には多い日で1日30件の電話があり、診療業務に支障が出たケースもあったという。内堀知事は「大変遺憾で、この事態を非常に憂慮している」とし、国に対して改めて科学的な事実に基づく情報発信や国内外の理解醸成に責任を持って取り組むよう求めた。県としても県警と連携し、実態把握に取り組んでいくという。
福島の事業所に被害調査
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出後、中国からとみられる嫌がらせ電話が相次いでいる問題を受け、福島商工会議所は、福島市内の約3600社の会員事業所にアンケートを実施し、嫌がらせ電話の実態や海洋放出に伴う風評被害の現状を調べる。
4日に福島市で開かれた常議員会で説明があった。15日を回答期限とし、その後順次、取りまとめる予定で、海洋放出後の経済への影響などを詳細に把握する。
常議員会の中では、観光業者から100件以上の嫌がらせ電話があったとの報告もあった。ただ、渡辺博美会頭は本県を応援する動きもあるとし、近く台湾の要人と会談を予定していることを明らかにした。
一方、渡辺会頭は、海洋放出に伴う賠償で処理水放出前を基準とする点について、原発事故後から続く風評被害の影響を考慮すべきだと指摘。また処理水を「汚染水」と呼んだ野村哲郎農相について渡辺会頭は「人ごとのように考える方が残念ながらいる。もっと、しっかりしてほしい。福島のことを親身に考える方が長く仕事を続けられるような政治であってほしい」と苦言を呈した。
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