福島県内で大雨、いわきに避難指示 鉄道は一時運転見合わせ

 
改札口で電光表示板を見る利用者=6日午後3時ごろ、福島市・JR福島駅

 6日の大雨の影響で、福島県のまとめ(午後9時現在)によると、住宅は福島、いわきの両市の2棟で床上浸水、福島、いわき、伊達の3市の15棟で床下浸水が発生した。

 いわき市では、雷を伴う局地的な大雨の影響で市内を流れる宮川で氾濫の恐れが高まったとして、流域の内郷宮町の1250世帯2963人に避難指示を発令した。宮川の支流なども増水し、地区周辺では床上浸水が1棟、床下浸水4棟の被害が発生した。市は周辺の小、中学校2カ所に避難所を開設し、住民に警戒を呼びかけた。また、市内では道路の冠水や斜面の崩落などにより県道、市道合わせて4路線が通行止めや片側交互通行となった。

 相馬市では、ガード下の市道など2カ所が通行止めとなった。

 鉄道はJR東北線郡山―白石間、常磐線富岡―原ノ町間、水郡線常陸大子―郡山間、阿武隈急行福島―丸森間で一時運転を見合わせた。東北線は郡山―仙台間で上下線計39本が運休、上り線1本が約4時間遅れ、約6200人に影響した。

 福島市のJR福島駅では列車が運転を見合わせたことで困惑する人の姿があった。さいたま市の20代会社員女性は福島市の実家に帰省する途中に足止めされ「まさか止まっているとは」と話した。橘高に通う男子生徒(3年)は下校途中の大雨で制服がずぶ濡れに。運転再開の見通しが分からず「早く帰って勉強したい」と不安な表情を浮かべた。

 福島市では一部で道路が冠水し、建物の浸水も発生した。同市松浪町でイベント会社を経営する横山浩史さん(56)は事務所が浸水し「15センチほど水に浸かった。これほど浸水したのは30年間で初めてだ」と驚いた様子だった。