「献上桃」詐欺、東京の75歳男を起訴 福島で農家被害

 

 宮内庁関係者などを名乗り福島市の農家から皇室への献上名目でモモをだまし取ったなどとして、福島地検は6日、詐欺や偽造有印公文書行使などの罪で東京都練馬区、農業園芸コンサルタントの男(75)を起訴した。福島地検は男の認否を「今後の公判に影響する」として明らかにしていない。

 起訴状によると、男は昨年6月30日ごろ、皇室への献上品を選定するなどの権限がないのに、「宮内」の印が押された宮内庁管理部大膳課名義の「献上依頼書」という偽造された文書を使い、福島市の70代農家男性にモモの献上を要求。同8月1日、男性方でモモ4箱(時価1万6500円相当)をだまし取ったほか、同じ男性から今年5月にも同様の手口でモモをだまし取ろうとした、などとしている。

 県警は、男を詐欺未遂、詐欺の容疑でそれぞれ逮捕した後の8月30日、偽造有印公文書行使の疑いで追送検していた。

 捜査関係者によると男は「(モモは)皇室に献上した」などと容疑を否認。男は東大客員教授の宮内庁関係者を男性に名乗っていたが、関係はないという。