「ポップアップ詐欺」に注意 相談178件 福島県警、対策を強化

 
訓練でシートを使って詐欺の説明をする店員ら=福島市

 インターネット閲覧中に「ウイルスに感染した」などと表示が出て、修理代名目などで金銭をだまし取られる「ポップアップ詐欺」に関する相談が県内で相次いでいる。県警のまとめによると今年7月末現在で178件の相談があった。県警は被害防止のための対策シートをコンビニ各社に配布するなど、対策を強化している。

 ポップアップ詐欺は、インターネットを閲覧中にウイルスに感染した旨の通知が画面に表示され、記載された電話番号に電話すると、ウイルス除去などのサポート料金としてコンビニで電子マネーを購入するように要求される。

 県警によると、こうしたサポート名目のポップアップ詐欺の被害は今年7月末現在で4件あり、被害総額は127万円という。ポップアップ詐欺として統計を始めたのは今年からのため前年と比較できないが、県警の担当者は「被害を相談しづらく、表面化している被害は氷山の一角の可能性もある」と危機感を強めている。

 県警はポップアップ詐欺のように電子マネーを利用した「なりすまし詐欺」を防ぐため、詐欺の具体的な手口などを記載した対策シートを作成。電子マネー購入者がコンビニに来店した際、店員が詐欺の可能性について説明するのに活用してもらう。

 対策シートの交付式は6日、県警本部で行われ、国井祐典生活安全部長が「県民の財産を守る一助になってほしい」とセブン―イレブン、ファミリーマート、ローソンの代表者に手渡した。

 式後には福島市のセブン―イレブン野田町5丁目店で訓練が行われ、店員らがシートを使った客への説明の仕方を確認した。

230908news709-2.jpg詐欺への注意を呼びかける県警の対策シート