浜通りで線状降水帯 いわきに「緊急安全確保」発令

台風13号は8日、日本の南の海上を北上した。浜通りでは、局地的豪雨をもたらす線状降水帯が県内で初めて発生、記録的な大雨となった。台風は同日午後9時、上陸前に熱帯低気圧に変わったが、気象庁は、東北や関東甲信で9日にかけ大雨になる恐れがあるとして、土砂災害や河川の氾濫などに厳重な警戒を呼びかけた。
気象庁などは8日、本県に記録的短時間大雨情報、浜通りの市町村に土砂災害警戒情報を発表した。線状降水帯が発生したいわき市付近では1時間に約110ミリの猛烈な雨が降ったとみられる。同市を流れる各地区の河川で氾濫が生じたとして、市は市内全域に県内初となる警戒レベルが最も高い避難情報「緊急安全確保」を発令した。
県は8日夜、災害対策本部を設置するとともに、いわき市に災害救助法の適用を決定。県によると同日午後10時現在、同市の9河川で越水したほか、同市錦町と内郷白水町で計20棟の床上浸水を確認した。常磐道や磐越道、国道49号の一部で通行止めとなり、県管理道路も14路線18カ所で全面通行止めとなった。
県内各自治体は避難所を開設した。同日午後10時現在の県のまとめによると、いわき市など9市町村に避難所計46カ所が設置され、114世帯206人が避難している。鉄道も常磐線など複数の路線で運休が相次いだ。
福島地方気象台によると、9日午後9時までに予想される24時間雨量は、浜通りと中通りで150ミリ、会津で100ミリ。
「浸水不安」高齢者ら避難所へ
いわき市南部付近では8日夜、線状降水帯による激しい雨が降り続いた。午後7時30分ごろまでの1時間は、降水量約110ミリ(速報値)という猛烈な雨となり、河川近くに住む住民らが開設された避難所に身を寄せた。
避難所の一つとなった同市錦町の南部アリーナには、高齢者らが避難した。普段は柔道場などとして使用されている場所が開放され、近くに設置されたテレビから流れる台風情報を見つめる住民もいた。館内には屋根に打ち付ける雨音が響きわたり、不安な表情で住民が身を寄せ合っていた。
夫婦で避難した川村一さん(84)、テフさん(82)夫妻は8日午後3時半ごろから避難を始めたといい、一さんは「自宅の近くに鮫川が流れていて、氾濫を恐れて早めに避難した。床下浸水が気がかりだ」と表情を曇らせた。テフさんは「移動手段がなく、近所の人に車で連れてきてもらった。何事もなく過ぎ去ってほしい」と話した。
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