県内最大...カントリーエレベーター、相馬で稼働 3900トン処理

 
施設を稼働させる(右から)数又組合長と立谷市長

 JAふくしま未来が相馬市日下石に整備していた穀類乾燥調製貯蔵施設「そうま日立木(にったき)カントリーエレベーター」が9日、稼働した。現地で同日、式典が行われ、関係者が施設の完成を祝った。

 穀類3900トンを処理できる県内最大、東北でも有数の規模で、14日から米穀の受け入れを本格的に始める。施設では相馬、南相馬両市などから、もみの状態でコメを運び入れ、計画的にもみすり、調整作業を行う。鮮度の高いコメを出荷できる体制を整え、付加価値の高い米穀販売につなげる。

 完成した施設は鉄骨造りで、乾燥作業では火力を使用しない除湿方式を取り入れ、自然乾燥に近い状態を再現して食味を保つ。玄米2万俵(1200トン)を低温保存できる自動ラック式倉庫も整備した。延べ床面積は計4913・66平方メートル。総事業費は約43億1100万円で、農林水産省と復興庁が創設した「県高付加価値産地展開支援事業」を活用した。

 式典には約70人が出席。数又清市組合長が「生産者に満足してもらえる施設整備ができた。最大限活用していきたい」とあいさつした。関係者のテープカットに続き、数又組合長と立谷秀清相馬市長が始動ボタンを押して、設備を動かした。